『『就職四季報』パーフェクト活用術』これ一冊で使い方がマスターできる!

就職/転職活動に役立つ本
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『就職四季報』パーフェクト活用術』は,『就職四季報』の読み方がわかるガイドブックです。『就職四季報』に掲載されている各項目(「平均年収」「3年後離職率など」)ひとつにつき2〜4ページで解説するという,かなり熱の入った一冊になっています。

『就職四季報』の使い方を知りたい人におすすめ

就職活動をするとき,『就職四季報』を使っている方は多いと思いますが,その道具を上手に使いこなしている自信がある人は,多くないでしょう。

本書は,『就職四季報』の使い方を知りたい人におすすめ一冊です。

そもそも,『就職四季報』は全4冊あります。

  • 総合版
  • 優良・中堅企業版
  • 女子版
  • 企業研究・インターンシップ版

これから就職活動をしようと思っている大学生の方は,『企業研究・インターンシップ版』を読んで,会社を知る方法だったり,インターンシップの意味を学ぶと良いでしょう。

すでに業界や会社がわかっているという人は,本書を使って,『就職四季報』の使い方を学びましょう。せっかくの強力な武器,「就活 四季報 いらない」と検索してしまうのはもったいないことです。『就職四季報』の使い方がわかれば,就職活動がレベルアップすること間違いありません。

さらに,「『就職四季報』の読み方もわかる」という方は,本書は必要ありません。『総合版』や『女子版』など自分に合ったものを選んで,就職活動における会社選びを進めましょう。

『就職四季報』パーフェクト活用術の目次

目次

本書の構成は,以下の通りです。

  • 「自分に合った会社」を見つける
  • 会社があなたの「何を見ているのか」を知る
  • 客観的なデータから「会社の本当の力」を知る
  • 外からうかがいしれない「働きやすさ」を知る
  • 女子限定「女性が働きやすい」会社の秘密を知る
  • 財務データで「長続きする会社」にめぐり合う
  • プロの道具「四季報シリーズ」で一歩リード」
  • プロが教える会社の見方
  • 内定者座談会

本書は,「自分に合った会社」を見つけるために『就職四季報』を活用する前提として,その読み方を知るためにあります。どんなに優れた道具を持っていても,それを使いこなせなければ意味がありません。法律家が条文を使いこなすように,就活生は『就職四季報』を使えるようにしましょう。

就職情報の多くは宣伝記事

なぜ,『就職四季報』のようなものを使う必要があるのかというと,就職サイトに掲載されている採用広告は巧妙な宣伝記事だからです。

ためにしに,◯◯ナビのようなサイトで会社の紹介ページをみてみよう。

ベタな宣伝文句はないし,一見普通の記事のようにみえる。

でも,マイナス情報は絶対にない。課題や問題提起という程度でもだ。

「苦境を乗り越えていまの繁栄がある」といった,現在のプラス情報を強調するような表現でさえも,マイナス情報はNGワードとして企業側から厳しく廃除される。

採用広告は,企業がお金を払って掲載しているものです。事実,それらの情報を見るあなた(就活生)は1円も払っていないはずです。一方,『就職四季報』のようなものは有料で販売されているため,掲載されている情報がきわめて中立になっています。

新卒という初めて社会に出るための重要な就職活動において,偏った情報を鵜呑みにするというのは,危険な行為だといえるでしょう。そのため,『就職四季報』のように中立に書かれた情報を読み取れるようになっておく必要があるのです(「ただより高いものはない」という言葉もあるほどです)。

『就職四季報』の各項目一覧

ここで,本書で解説されている『就職四季報』の項目を記載します。

会社があなたの「何を見ているのか」を知る

  1. 採用プロセス:選考スタイルが一覧できる
  2. エントリーシートの通過率:次のステップに進める確率がわかる
  3. エントリーシートの選考ポイント:ESでなにが重視されるかがわかる
  4. 筆記試験の正解率・通過率:合格ラインと難易度がわかる
  5. 筆記試験の種類,選考ポイント:使われた,重視されたテストがわかる
  6. 面接の評価ポイント:内定を決める最大の決め手がわかる
  7. 面接の回数:バッティングしたときに優先すべき会社がわかる
  8. 採用実績校:どの学校から何人採用されたかがわかる

客観的なデータから「会社の本当の力を知る

  1. 平均年収(1):定義と注意事項:入社後の待遇がズバリわかる
  2. 平均年収(2):意味と背景:会社の「稼ぐ力」の象徴
  3. 特色と記者評価:客観的な会社の評価がわかる
  4. 今後力を入れる事業:会社の将来の柱がわかる
  5. 修士・大卒採用数:採用されやすい属性と傾向がわかる
  6. 従業員数:会社の規模や男女比がわかる
  7. 初任給:はじめてのお給料はいくらかがわかる
  8. 25,30,35歳の平均賃金:入社後の賃金カーブがクッキリ出る
  9. 昇給率:賃金の上昇率がダイレクトにわかる

外からうかがい知れない「働きやすさ」を知る

  1. 3年後離職率:新卒者が3年間で辞める割合がわかる
  2. 離職率と離職者数:会社全体でどのくらい辞めているのかがわかる
  3. 平均勤続年数,平均年齢:居ごこちのよさと会社の活力がわかる
  4. 有給消化年平均:実際にどのくらい休めるのかがわかる
  5. 月平均残業時間と支給額:人間らしい働き方ができるかがわかる
  6. 最高・最低賃金:社内の賃金格差がズバリわかる
  7. 情報開示度:就活生に情報提供する姿勢がわかる
  8. 配属先:まずどこで,どんな仕事をするのかがわかる

『就職四季報』を見ていると,「NA」という回答が目に入ります。これは「NA」とはNo Answerの略で,会社がその項目について開示しないという意味です。

『就職四季報』は,「NA」について,以下のような見解で書かれています。

  • 数字がよければNAにはしないはず
  • NAは就活生に対する会社の姿勢

前者については,数字がよければ,出したほうが会社の印象はよくなります。もっとも,「出せないものは出せない」という会社もあるのかもしれません(本書より)。

一方,後者については,『就職四季報』編集部も興味深い見解を見せています。

開示する相手は東洋経済ではない。これからともに手をとって働くことになるかもしれない就活生である。(中略)

情報を開示するかどうかは相手への信頼関係で決まる。信頼関係を示し,会社のために献身的に働いてもらおうと考えるか,あやまった解釈をされないよう,情報を統制するのが当然だと考えるか。

どちらがよい悪いとはいえない。どちらも会社の一側面である。

でも,どちらが自分の感性に合うかは自分にはわかるはずだ。

また,新卒向け就職エージェント「キャリアチケット」のYouTube「就活トーク」でも,「家でできる企業研究!就職四季報の活用法」において,「開示度が高いところは,包み隠さず話してくれる会社という判断もできる」としています。

女子限定「女性が働きやすい」会社の秘密を探る

  1. 男女・総合一般別採用実績:職種別の内訳と採用傾向がわかる
  2. 職種併願:「受けられない」非常事態を回避する
  3. 転換制度:入社後,コース変更ができるかがわかる
  4. 女性社員比率:女性が多いか少ないか,職場環境がわかる
  5. 女性の平均勤続年数:女性が長く働けるかどうかがわかる
  6. 産休・育休:期間,給与,取得者数:会社の子育て応援体制がわかる
  7. 女性の既婚率:結婚後も働いている女性社員の割合がわかる

女子学生の場合は,総合職(仕事内容や職務,処遇などに男女の区別はないが転勤がある)と一般職(転勤がないかわりに処遇の面で総合職に劣る場合がある)の内訳を知ることが必要になります。

また,女性がどのくらいいるか,産休・育休の制度は整っているか,既婚率はどのくらいかといった情報も掲載されているので,これらのデータを読めるようにしておきましょう。女性の場合は,まずは『女子版』を選び,そのあと必要に応じて『総合版』などを選ぶと良いでしょう。

新卒就活エージェント【キャリアチケット】

「四季報シリーズ」で一歩リード

本書では,『就職四季報』だけでなく,『会社四季報』も読んでみることを推奨しています。元はというと,『四季報』は,株式投資をするための『会社四季報』が元になります。

ただ,ここまで会社情報を把握するのは困難なので,応用編としておくと良いでしょう。

一方,もうひとつ推奨されている『業界地図』は読むのをおすすめします。。

『業界地図』を見ると,その業界の主要プレーヤーの規模や順位,企業間のつながりなどがビジュアルで効率良くわかります。『業界地図』は,「東洋経済新報社」と「日本経済新聞社」の2種類が有名ですが,本書を読んだ方なら,同じ東洋経済新報社のものを選ぶと相性が良いでしょう。

内定者座談会「就職四季報で内定取れた」

本書には,付録として,『就職四季報』を使って有力企業に内定をもらった先輩たちによる体験談とアドバイスが掲載されています。

『就職四季報』先輩が教える使い方十箇条

  1. まずはザッピングに使え。自分の基準でとにかく会社を拾い出す!
  2. 3年後離職率は必ずチェック。男女別にhも差がないかをチェックしよう。
  3. 有給,残業は部署によって違う,口コミや先輩の話も含めて判断しよう。まちあがっても会社説明会で直接聞くな!
  4. とにかく知らない会社をみつけよう。自分にとっての”隠れ優良企業”をさがし出せ!
  5. どこを受けたいのかわからなくなったら,記者評価を読もう。むずかしい言葉や厳しい業績にふれてもなおココに入りたいのか,自分の強い思いをたしかめるべし。
  6. 実績校と採用校で入りやすさをチェックしよう。男女差は社風にも反映されるから重要だ。
  7. NAや開示度からも企業の本音とウラを読め!
  8. 選考が始まったら,採用プロセスや筆記の種類でゴールを知っておき,精神安定剤としよう。
  9. 四季報はあらゆる局面で格好のネタ帳だ。データを自分のものにするにはとにかく比較する!
  10. 基準をきちんとあわせるなど,冷静にデータをみる目がないと意味がない。それどころか,まちがった分析をしてしまい害になる。

座談会で語られている内容はリアルなものも多いので,これらを参考にするのも良いでしょう。

まとめ

本書は,『就職四季報』を活用するときに読んでおきたい一冊です。もちろん,自分でデータを分析するのがあまり得意ではない,膨大な数の中から自分に合っている会社を見つけるのは難しそうという方は,就職エージェントなどを活用するのも良いでしょう。

大切なのは,目の前の手段にこだわることではなく,直近の目的である就職活動を成功させることです。『就職四季報』の読み方をマスターして,就職活動に臨みましょう。

あなたの就職活動が成功するのを応援しています!

(転載元:New Mage

書名 『就職四季報』パーフェクト活用術
著者 『就職四季報』編集部
出版社 東洋経済新報社

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