就職/転職エージェントを使った知り合いから「いろいろ交渉してくれたよ!」だったり,反対に「あんまり変わらなかった」など,さまざまな話を聞くこともあると思います。
そこで,今回,現役で人材紹介をやっている立場からみた意見について,25歳くらいまでのキャリアの方の例で書いていきます。
就職/転職エージェントで給与の交渉できる2つのケース
結論から言うと,できます。
しかし,なんとなくみなさんも理解されているように,「なんでも言えば,給与が上がる」というわけではありません。
以下の場合,交渉の可能性があります。
- 現職より大幅に削減される場合(年収が60万円以上減るケース)
- 即戦力に近いスキルがあるが,転職先社員と大きく年収に差がある場合(60万円以上の差)
この2つのパターンのときは年収交渉が可能です。
ただ,みなさんが期待するような「転職したから年収が上がる!」というようなものではないので,ご注意ください。これらの場合,あくまで「現職維持レベルの給与を交渉してもらう」ことになります。
また,未経験職種への転職の場合は,基本的に初年度年収は下がります。応募前の段階でエージェントの担当者に聞けば,目安年収は教えてもらえるので確認するようにしましょう。
フリーターから未経験エンジニアに就職。現在は外資系コンサル会社で年収800万円
続いて,どのようにすれば年収を上げていくことができるのか,実際にあった例を紹介します。
この方は,初めてお会いしたときは「ワーキングホリデー帰りのフリーター」でした。
最初に就職したのは,運用や監視業務のインフラエンジニア職です。当時の年収は,24歳で年収280万円程度でした。そこから,3年間でエンジニアとしてのスキルアップ,マネジメント経験などを経て,さらに高いレベルのスキルを求められる会社に転職をしました。当時の年収は450万程度でした。
そして,その職場でネットワーク設計やAWS(Amazon Web Services。Amazon.comにより提供されているクラウドコンピューティングサービス)案件なども数多く経験し,3年後,外資系のコンサルティングファームに転職をし,年収が800万円にまで上がりました。
彼の例が,世間で言う「転職=年収UP」のきれいな一例になります。
何が年収アップにつながる秘訣だったかを記載すると,以下になります。
- 今後,需要の高まる職種についた
- 年収を高く払ってもらえる会社に転職をした
- スキルアップをし続けた(業務に関わる資格取得・マネジメントや上流工程への挑戦)
年収を高くするには,その職種が「専門スキルが必要で希少性が高い」ということ,「今後も需要が伸び,市場規模も大きくなる」という条件がそろう必要があります。この点,ITエンジニアは今後も需要が伸び続け,専門的スキルが必要とされる職種になるので,この条件を満たしています。
また,「年収を高く払ってもらえる会社に入る」というのも大切で,そもそも企業の収益性が高く社員平均年収が高くなければ,どれだけスキルがあろうが年収は高くなりません。そのため,平均年収が高い会社を選ぶのは重要になります。
「じゃあ,そういった条件の良い会社や職種を選べばいいんだ!」と思うかもしれませんが,世の中はそんなに甘くありません。
実は,最後の「スキルアップをし続けた」というのが,どんな職種でもいちばん大切です。自分自身にスキルがないと,条件の良い会社に採用されることはないです。
そのため,入社してから言われたことだけこなしているという方だと,年収やキャリアにも限界がきます。まずは,失敗ありきで良いので,新しい取り組みに率先して手を上げたり,既存の業務でも「顧客に良い価値を提供できないか」などを考えて動く必要があります。
まとめ
今回は,「給与交渉から年収を上げていくには?」というテーマについて解説しました。
年収交渉は場合によっては可能ではありますが,まずは,「高いお金を払ってでも雇いたい」と思われるように自分自身のスキルを磨くことが年収アップの近道なのだといえるでしょう。