就職/転職エージェントは嘘つき?人材紹介会社の本音や闇の部分を現役カウンセラーが暴露します

就職/転職活動コラム
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みなさんは,「就職/転職エージェントが適切な情報を出してこない!」とか「優良企業だと聞いたのに調べたらブラック企業ばかりだった」というようなお話を聞いたことはないでしょうか?

人材業界に身を置く私自身もこのような場面は見たことがあります。

では,なぜこういったことが起こるのでしょうか。

人材紹介会社の裏話にも触れる部分もあるので,気になる方は読んでみてください。

就職/転職エージェントの本音

就職/転職エージェントの本音は何かというと,「収益をあげる」を第一に仕事をしています。

営利企業が利益を追うのは当然なので,ここに疑問を持つ方は少ないと思います。また,もうひとつ思っているのは,「よりよいマッチングを生み出したい」とも本気で思っています。

これを聞くと,「じゃあブラック企業を優良企業と紹介するのはなんなんだ!」と思う方もいるかもしれませんが,離職やミスマッチを望む担当者はいません。

なぜかと言うと,人材紹介会社は「返還規定契約」というものを紹介企業と締結しているからです。これは,「一定に期間内に紹介した方が退職した場合,料金を一部返還する」というものです。

そのため,ミスマッチを生んでしまうと企業の収益が上がらないのです。

また,あまりに多く短の期離職を出してしまうと,紹介企業の契約も破棄される可能性があります。

そのため,無理くりなマッチングをするメリットはあまりないというのが本音になります。

これを書いても,「業界の人間のポジショントークだ!」「サービス利用しても自社の利益しか考えていない会社が多かった」という方もいると思います。

次の項目で,「なぜ求職者の方がエージェントに嘘をつかれた」と思ってしまうようなことが起きるのか記載します。

就職/転職エージェントを嘘つきと感じる

みなさんが「エージェントに嘘をつかれたり不誠実な対応をされた!」と感じるのは,以下のケースが多いのではないでしょうか?

  • 優良企業と言われた企業を調べたら口コミが悪かった
  • 内定を獲得したところに入社を強要された

優良企業と言われた企業を調べたら口コミが悪かった

ひとつ目に関しては,よくあるパターンだと思います。世間で言うところの「ブラック企業」を「優良企業」と勧める理由は,人材紹介会社は企業からお金をもらうからです。

人材紹介会社にとっては,求職者もクライアントですが,企業もクライアントです。契約を頂きサービス提供している以上,まずクライアントを下げる発言はし辛いのが現実です。

そのため,どうしても「良いことしか言わない」というケースが起こります。

このような状況を避けるためには,「なぜこの企業を自分に紹介したか?」「求人のメリット・デメリットは何か?」をエージェントに聞くことが大切です。そうすると正しい情報が掴めてきます。

内定を獲得したところに入社を強要された

人材紹介会社の売上は,みなさんが入社して初めて発生します。反対に言えば,入社してもらわないと売上が上がらないので,エージェントは「内定を獲得した企業に入社してもらいたい」と思います。

そのため,強要を感じるような入社を勧めてくる担当者もいるのです。

これを極力避けるには,「まだ待ってほしい理由」「いつまで待ってもらえるか?」を確認しましょう。本当に内定承諾期限が短いこともあるので,適切な情報をもらいましょう。

大前提として,嘘をついているケースは珍しいです。「適切な説明がない」ということで「嘘をつかれている」と感じることも多いので,気になることがあれば質問をするのが大切です。

就職/転職エージェントの闇

ここでは,就職/転職エージェントの闇といえばいいのか,「不誠実に感じてしまう対応が行われる人材紹介会社の社内要因」について記載します。

  • 毎月ノルマがある
  • 業界や企業・職種知識に乏しい担当者が多い

この2点が代表例かと思います。

毎月ノルマがある

彼らも営業職なので,「毎月売上をいくらあげないといけない」などの指標があります。そのため,数字(成績)に困っている担当者(エージェント)だと,無理やりな入社強要をしてくる可能性はあります。また,成績は賞与などにも反映されるので,数字を追い求めている方は多いのも現実です。

業界や企業・職種知識に乏しい担当者が多い

業界や企業・職種知識に乏しい担当者は本当に多いです。なぜかというと,それらを知らなくても,社内で共有されている企業紹介のセールストークのテンプレートを話しているだけでも,一定の成績はあげられるからです。そのため,「業界や職種知識をつけないと業務にならない」までの強制力が発生せず,このようなケースが起こります。

良いエージェントに出会う方法

これを読んでいただいている方は,「じゃあ,どうやったら良い担当者に会えるのか?」というのが気になっていると思います。もちろんエージェントの中には,素晴らしい担当者はたくさんいます。その探し方を記載します。

規模の小さい会社と大きい会社の両方に登録する

まず大切なのは,規模が小さめ(20名以下)の人材紹介会社を3社ほど,大きい会社(30名以上)に2社ほど登録することです。

規模の異なる会社に登録する理由は,規模が小さい会社は「担当者のレベルが高いが求人数が少ない」,規模が大きい会社は「担当者のレベルは運に左右されるが,求人数は多い」からです。

多くの人は「安心できそう」という理由で大手サービスのみを利用しがちですが,人材紹介会社は規模がサービスの質に直結しません。むしろ,規模が小さく職人的な仕事の仕方をされている担当者の方が,業界や職種知見は豊富なことが多いです。

双方にメリットとデメリットがあるので,大手・中小どちらも登録してみましょう!

良いエージェントを見抜く

就職/転職エージェントに登録したあと,「良い担当者かどうかわからない」という意見もあるかと思うので,その見分け方について記載します。

「以下の説明があるか?」「質問をして的確な回答があるか?」がポイントになります。

  • 自分にその求人を紹介している理由について適切な説明をしてもらえる
  • 求人のメリット・デメリットを聞いたときに適切な回答がもらえる
  • 採用している理由について適切な説明ができる(単純な業績拡大でなく,詳細まで説明できる)

以上の質問に的確に答えてくれるエージェントは,信頼できる担当者と思ってもらって良いでしょう。

企業が採用するのは必ず理由がありますし,それをちゃんと把握できているからこそ,「こういった方が合う」という提案を行うのもエージェントの仕事です。

このポイントをきちんと押さえられている担当者は,スキルが高いといえるでしょう。

まとめ

今回は,就職/転職エージェントサービスを利用する中で不満を感じる部分の理由と,その対応案について記載しました。

よほどの悪徳企業でない限り,適当なマッチングを行おうと考えている人材紹介会社はありません。しかし,良い担当者(エージェント)とまだまだスキル不足の担当者がいるのも事実なので,求人や業界に関する質問を積極的に投げかけてみてください。

稗田直史

稗田直史

USE COMPANY LLC代表。現在はさまざまな企業の採用支援業務に従事しており,年間200名以上の面接を実施しています。 仕事の心構えとして「相手のためになる提案をすること」を大切にしています。 安っぽく感じてしまうかもしれませんが、誤魔化しは排除し、本質的に良くなる道をつくっていければと考えています。 趣味はランニングです!

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