保育士・幼稚園教諭の主な勤務先となる保育所(保育園)や幼稚園・認定こども園は,公立か私立(民間立/民営)かによって採用方法が異なります。
ここでは,保育士・幼稚園教諭が「公立施設」で働くときの採用の流れを解説します。
資格・免許について
この記事は,すでに保育士免許・幼稚園教諭免許を持っている方を対象にしています。
目次
公立施設で働く職員は「地方公務員」になる
公立施設で働く場合,職員は各自治体(市区町村)の公務員(地方公務員)になります。
そのため,保育士や幼稚園教諭として働くためには,公務員試験を受ける必要があります。
- 保育士:職員採用試験
- 幼稚園教諭:教員採用試験
たとえばA市立の保育所で就職を希望する場合,A市の職員採用試験(公務員試験)を受けます。
A市立の幼稚園で就職を希望する場合,A市の「教員採用試験」を受けます。
受験資格は,保育所なら「保育士資格」取得,または取得見込み。幼稚園なら「幼稚園教諭免許」取得,または取得見込みです。
これらの試験に合格したあと,各自治体の中で配属先(勤務先)が決まります。
2018.01.06
保育士・幼稚園教諭の採用の流れ(私立編)
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「幼保一元化」の流れが加速している
幼保一元化とは
幼保一元化とは,少子化とサービスの多様化に対応するために「幼稚園と保育所の一元化をしよう」という政策です。
幼保一体化」
以前の民主党政権下(2009〜2012)では「幼保一体化」という言葉を使っていました。
両方の資格を持っている人が有利になる
この流れを受けて,幼稚園や保育所の採用では,両方の資格(保育士・幼稚園教諭免許)を持っている人が有利になってきています。
特に公立では,その流れが顕著です。
自治体によっては,公立の保育所や幼稚園で就職を希望するとき,「保育士」「幼稚園教諭免許」両方の資格が必要になることもあります(募集要項で確認できます)。
公立施設の保育士・幼稚園教諭の選考の流れ
公立施設の採用試験は次のような流れになっています。
- 受験申し込み
- 第一次試験
- 第二次試験
- 合格発表
- 配属先の内定
- 採用
受験申し込み:9月に第一次試験を行う「秋試験型」が多い
自治体によって異なりますが,多くの場合「秋試験型」になっています。
夏試験型
- 6〜7月に受験申し込み
- 7〜8月に第一次試験
秋試験型
- 7〜9月に受験申し込み
- 9月に第一次試験
試験内容:最初の関門は筆記試験
自治体によって異なりますが,試験内容は次のようなものが多くなります。
第一次試験
- 教養試験(択一式)
- 専門試験(択一式, 記述式)
- 論作文試験
論作文試験について
論作文試験は第二次試験で実施するところも多くあります。
第二次試験
- 実技試験
- 面接試験
- 適正試験
実技試験について
実技試験と論作文試験はどちらか実施のところも多くあります。
試験のレベル
試験のレベル(教養試験・専門試験)は,「短大卒程度」という自治体が多くなります。
なかには「高卒程度」「大卒程度」など異なる自治体もあるので注意しましょう。
面接試験
最近の試験は,筆記試験をやさしくし,面接試験で絞り込む(人間性を見る)という傾向があります。個別面接や集団面接の2回あるところもあるので確認しましょう。
実技試験
実技試験では,次のような試験があります。
- ピアノ演奏
- 弾く歌い
- リズム表現
- 体力検査
- 読み聞かせ
実技試験の実施の有無は自治体で大きく異なります。
合格後
地方公務員の合格発表は,夏試験型が9月頃,秋試験型が11月頃になります。
合格後に,自治体の中で配属先(勤務先)が決定します。
保育士の場合,保育所だけでなく,児童養護施設や児童発達支援センターなどの「児童福祉施設」に配属されることもあります。
2018.06.06
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