転職活動を終え,次の職場に行く前に有給消化を使ってゆっくりされる方は多いと思います。そして,なかには「有給消化中に新しい職場で働けないのだろうか?」と考える方もいます。そこで,有給消化期間中に,次の職場で正社員として勤務できるかという点について解説をしていきます。
有給消化中に転職先で働きだすことは可能なのか?
結論から言うと,「状況によって大きく変わる」ことになります。
もし,有給消化中に,転職先企業から「すぐに働いてほしい」と依頼された場合,前職の就業規則に「二重就労の禁止」などの規定がないか確認をしましょう。二重就労とは,ひとつの企業に雇用された状態で,他の職場で働いたり副業したりすることです。
就業規則に違反した場合,減給の対象になったり,懲戒免職になったりすることがあります。法律上の問題はありませんが,有給消化中は前職に雇用されている状態ですので,雇用主の就業規則を破ることで問題に発展するリスクがあることは認識しましょう。
「辞める会社だからとやかく考えなくて良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが,前職側で問題になった場合,転職先企業にまで迷惑をかけてしまう可能性もあります。その結果,転職先起床でも問題視されてしまい,内定取り消しにされてしまうこともあるので,注意しましょう。
有給消化中に転職先で働く時の注意点
前職の許可が出て,転職先企業で勤務する場合の注意点として「雇用保険」があげられます。雇用保険は二重加入することができません。有給消化中に転職先で働き始める場合,雇用契約が被ってしまう期間が発生するので,前職側に「雇用保険の資格喪失手続き」を行ってもらう必要があります。
雇用保険に加入していない状態で仕事をしていて,万一トラブルが起こった場合,補償を受けることができません。転職先企業で働くときは,必ず前職で雇用保険の資格喪失手続きを行いましょう。そうすることで,転職先企業の雇用保険に加入することができます。
ちなみに健康保険,厚生年金,労災保険などは二重加入しても問題ありません。
有給消化中に転職先企業で働きたい旨を前職の方に報告するときは,働き始める具体的な日付なども明確に伝えておきましょう。不透明な部分を作ってしまうと,あとでトラブルになることもあり,転職先企業に迷惑をかけてしまうこともあるので,言いづらいと感じても正直に伝えることが大切です。
まとめ
転職支援をしていても「有給消化中勤務できるのか?」という質問は多いです。知らずに対応してしまうと思わぬトラブルに巻き込まれることも多いので,事前に確認し行動をするようにしましょう。