アパレル業界に限らず,採用面接の中でもっとも難しいのが自己PRです。
採用面接では,「すべての質問が自己PRにつながる」と言われます。
たしかに自己紹介,職歴,志望動機,長所と短所なども自己PRにつながりますよね。
そこで,ここではアパレル業界の面接対策として「自己PR」について解説します。
目次
自己PRを考えるための準備
志望動機との違いを知る
まず,混同しやすい「志望動機」との違いです。
自己PRは,「自分の過去の経験からアピールしたいこと」を話します。
一方,志望動機は「その職種や企業を選んだ理由と実現したいこと」を話します。そのため,「なぜその企業を選んだのか?」といったものは,志望動機に含まれることになります。
もっとも,冒頭に書いたように,志望動機は「自己PR」につなげることが可能です。
自己PRでは,「仕事へのこだわり」や「業務の実績」をアピールできる内容を作りましょう。
選考を受ける企業(ブランド・ショップ)を研究する
「敵を知り,己を知れば,百戦危うからず」という言葉があるように,企業の採用面接では敵(というと語弊がありますが)にあたる企業を知ることが重要です。
たとえば,自分にとって「これが自己PR」だと思っていても,相手(選考を受ける企業)にとってそれがまったく魅力になっていないことは多々あります。
つまり,「相手が何を欲しがっているのか」を知らない限り,「相手に刺さる自己PR」を作ることはできないのです。
そのため,自分が選考を受ける企業(ブランド・ショップ)のことを研究しましょう。研究するには,企業のWebサイトやブログ,関係者の書籍などをチェックするのがおすすめです。
自分の経験を書き出す
相手(企業)のことが分かったら,次は自分のことを知りましょう。
自分のこれまでの経験を書き出し,自己PRになりそうな材料を探します。
学生時代の部活動やアルバイトのこと,就職をしてからの実績など自分がこれまでどのような道を歩いてきたかを書き出してみましょう。
自己PRを考える3ステップ
アピールポイントを作る
それでは具体的に自己PRを作っていきましょう。
先ほど書き出した過去の自分の経験から「自己PRになりそうなもの」を探します。
自己PRは「自分はこういう人です」というのを伝える場です。「ポジティブな性格」「積極性がある」といった漠然としたものを出しても相手に刺さらないので注意しましょう。
もし,この時点で「上手く見つからない…」という方は,とりあえず次に進んでみましょう。
根拠を出す
アピールポイントを決めたら,その根拠を出します。
面接では,結論を述べたあと,「なぜそうなのか」をエピソードと一緒に話すと信憑性が生まれます。反対に言うと,エピソードがないものは理由がないために信憑性が乏しくなります。
学生のときに部活動をやっていたのなら実績をあげるのも良いでしょう。社会人としてどれだけ仕事をしていたのかを表すのにも実績があると信憑性が増します。
先ほど,「アピールポイントが見つからなかった」方は,先に根拠を見つけると良いでしょう。
たとえば,「部活の大会に出たことがある」「仕事でこんな実績を出した」という根拠を見つけます。そして,その実績となる根拠から自己PRを作ります。
部活の大会に出たことがある方なら,「どんなに厳しい練習でも乗り越えられる根性がある」といったものが,あなたにとっての強みになるでしょう。
企業にとってどのように役立つか
根拠を作ったらおしまいではありません。
自己PRが企業にとってどのように役に立つのかを考えましょう。
自己PRはあなたの魅力を伝えるものですが,それが相手(企業)にとって役立つものでなければ意味がありません。営利企業である以上,ベネフィット(価値)を伝える必要があるのです。
自己PRをまとめると,まず自分の自己PRになる材料を探す。次に,その根拠となるエピソードや実績を提示する。そして,それがどのように役に立つのかを伝えます。
自己PRの例文
最後に自己PRの例文を紹介します。
自己PRを例文をそのまま使うのではなく,自分のシチュエーションに合わせて応用して,世界にひとつだけのオリジナルの自己PRを作るようにしましょう。
アパレル未経験者の場合
アパレル未経験者の場合,アパレル業界で働いてきた実績がありません。そのため,他の業種でどのような活躍をしてきたのか,または学生時代の活動を自己PRにしてみましょう。
自己PRの例文
私はお客様の立場に立った丁寧な接客に自信があります。◯年間働いてきた飲食店では,マニュアル通りに働くだけでなく,その場の状況に応じて接客を心がけてきました。
その結果,お客様から感謝され,リピーターになってくださる方もいらっしゃいました。
アパレル業界は未体験ですが,すぐに仕事を覚えられるように努め,丁寧な接客を心がけながら,ひとりでも多く自分のファンになっていただけるような販売員を志したいと思います。
アパレル経験者の場合
アパレル経験者の場合,自分がどのような実績を出してきたのかをアピールしましょう。即戦力が求められるアパレル業界では「アパレル経験者」であることそのものがメリットになります。
自分がその企業に入ってどのようなことができるのかを伝えられるようにしましょう。
自己PRの例文
私は◯◯(ブランド名)で◯年間,販売員として勤務してきました。接客だけでなく,ディスプレイなど売場づくりにも積極的に関わり,売上を◯%アップすることに貢献できました。
御社の商品の◯◯のような場所がとても好きなので,入社後は商品知識を早く身に付け,売上に貢献したいと思っております。