保育士や幼稚園教諭は主にどのような場所で活躍しているのでしょうか。
ここでは基本となる保育士と幼稚園教諭の主な就職先について解説します。
目次
保育施設(保育所・幼稚園・認定こども園など)
保育士や幼稚園教諭が就職する先といったときに最初に思いつくのが,保育所(保育園)や幼稚園といった保育施設です。
主な保育施設
- 保育所(保育園)
- 幼稚園
- 認定こども園
保育所と幼稚園の違い
おさらいとして保育所と幼稚園の違いを表で確認しておきましょう。
保育所 | 幼稚園 | |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
法律上の目的 | 児童福祉 | 教育 |
対象児 | 0歳から就学前 | 満3歳から就学前 |
資格・免許 | 保育士資格 | 幼稚園教諭免許 |
保育時間 | 原則8時間 | 原則4時間 |
延長 | 延長保育 | 預かり保育 |
保育所と幼稚園は,行政上の目的こそ「児童福祉」と「教育」と違いますが,「就学前の子どもの集団保育」という点では共通しています。
また,幼稚園だけでなく,保育所も「保育所保育指針」に従った教育を行っています。
認定こども園を理解するために知っておきたい「幼保一元化」
「それなら保育所と幼稚園はほとんど変わらないのでは?」と思う方も多いと思います。
どちらも「預かり保育をすること」「教育をすること」は共通しています。
また,次のような問題も出てきました。
- 都市部:保育所不足が深刻で待機児童が増えている(全国約2万6000人)
- 過疎地域:保育所と幼稚園を分けると子どもが少なくなる
そこで,2006年に幼稚園と保育園のメリットをあわせ持った「認定こども園」がつくられました。
少子化とサービスの多様化に対応するために「幼稚園と保育所を一元化しよう」という政策を「幼保一元化」といいます(民主党政権下では「幼保一体化」という言葉を使っていました)。
この認定こども園も保育士と幼稚園教諭の主な就職先になります。
参考:保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)及び「待機児童解消加速化プラン」集計結果を公表 |報道発表資料|厚生労働省
公立・私立の認可施設・事業
公立・私立の「幼稚園,保育所,認定こども園」は,どれも一定の基準を満たして自治体(市町村)の認可を受ける「認可施設」です。
この基準とはたとえば次のようなものがあります。
- 定員
- 1人当たりの基準面積
- 開所時間
これらの基準を満たすと,自治体から助成金が得られるようになっています。
認可施設にはほかにも次のものがあります。
その他の認可施設・事業
- 家庭的保育:保育者の自宅などで行われる保育
- 小規模保育:6〜19人など小規模な保育施設
- 事業所内保育:企業内などに設置された託児施設
- 居宅訪問型保育:保護者の居宅で保育する事業
これらの認可施設・事業も保育士の就職先になります。
認可外保育施設
上記の認可を受けていないものが「認可外保育施設」にあたります。
主な認可外施設
- 認可を受けない保育施設
- 認可を受けない事業所内保育
認可外といっても「=違法」というわけではありません。あくまで自治体の基準を満たしていないために,助成金が得られないというだけです。
ただし,基準を満たしていないということは,場所が狭かったり,定員が少なかったり(または多すぎたり)するので,認可施設よりは待遇が低くなる傾向は否めません。
認可外施設は,良くも悪くも「質がさまざま」なので,その見極めが必要になります。
児童福祉施設
児童福祉施設も保育士の主な就職先になります。
正確には「保育所」も児童福祉施設のひとつですが,便宜上別にしています。
児童福祉施設は大きく2種類に分けられます。
- 児童福祉施設(社会的擁護)
- 児童福祉施設(障害者支援)
児童福祉施設(社会的擁護)
1つめは社会的擁護を担う児童福祉施設です。たとえば,保護者(親)がいなかったり,虐待を受けた児童を保護・擁護する役割があります。
主な児童福祉施設(社会的擁護)
- 乳児院:保護者の擁護を受けられない乳児が入所する
- 児童養護施設:保護者の擁護を受けられない乳児が入所する
- 母子生活支援施設:保護を必要とする母子が入所する
- 児童自立支援施設:生活指導が必要な児童が入所する
- 情緒障害児短期治療施設:軽度の情緒生涯を持つ児童が入所する
児童福祉施設(障害者支援)
もう1つは障害者支援のための児童福祉施設です。入所(そこで生活する)するものと通所(自宅から通う)するものの2種類があります。
主な児童福祉施設(障害者支援)
- 福祉型障害児入所施設:障害児を入所させて,自活に必要な訓練を行う。
- 医療型障害児医療施設:障害児を入所させて,自活に必要な訓練と治療を行う。
- 福祉型児童発達支援センター:自宅から通い,自活に必要な訓練を行う。
- 医療型児童発達支援センター:自宅から通い,自活に必要な訓練と治療を行う。
子育て支援センター
子育て支援センターとは,「乳幼児」と「乳幼児を持つ親」の交流を深める場(施設)です。
子育てを自宅で行う親は孤立化しやすく,また地域とのつながりが希薄になりやすいことから,子育て中の親子が気軽に集まり,交流できる場所を作るために作られました。
子育て支援センターでは主に以下の事業を行っています。
- 子育て親子の交流の場の提供と交流の促進
- 子育て等に関する相談,援助の実施
- 地域の子育て関連情報の提供
- 子育て及び子育て支援に関する講習等の実施
子育て支援センターも保育士や幼稚園教諭の就職先になっています。
医療機関(病棟保育士を採用している病院)
最後は医療機関です。
入院する子どもが安心して過ごせるように,病棟保育士を採用している病院が増えています。
病棟保育士は,入院している子どものケアや診療の補助などを行います。
2018.06.06
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