大手企業(日立・資生堂・KDDIなど)のジョブ型雇用導入のニュースが流れています。にわかに頻出ワードとなった「ジョブ型雇用とは何か?」を知らない方も多いかと思いますので,今回は「ジョブ型雇用」をテーマに書いていきます。
そもそもジョブ型雇用とは何か?
ジョブ型雇用とは,従事してもらう職務内容を明確にした上で最適な人材を配置する欧米などで一般的な雇用形態です。
つまり,職務に必要な能力を細かに記載した「職務定義書」(求人票)を示し,社内外から人材を募り,企業が求める能力を明確にして雇用契約を結ぶという雇用手法です。
こう書くと「それだと今までと同じなのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思います。そこで,今後変わっていく内容を記載していきます。
「ジョブ型雇用」導入によって生まれる違い
今まで多くの日本企業は「メンバーシップ型雇用」という手法で採用・育成を行ってきました。
メンバーシップ型雇用とは,日本でよく見られる「新卒一括採用型の雇用システム」です。多くは総合職として採用し,転勤や異動,ジョブローテーションを繰りかえすことで,会社を支える人材を長期的に育成していく」という手法です。
人事評価も,長期的に働くほど一律で昇給する年齢給を採用する企業が多く,さらに退職金が受け取れる年功序列型賃金体系をセットにしている会社も多いです。
つまり,終身雇用を前提とした雇用手法でありました。
それに対して,ジョブ型雇用は終身雇用とは真逆の考え方を持つ雇用手法です。採用や評価体制も年齢や学歴などに関係なく,専門スキルに応じた採用・評価基準になります。
たとえば,20代でも専門スキルを保有していれば,専門スキルを保有していない40代の給与を超えることも当然起こります。
より自己責任の時代へ
このように「企業が求める高度スキル」を常に個人で担保しなくてはいけない時代が訪れます。これまでのように企業が研修や育成を積極的に行うこともなくなり,優秀な外部人材を登用することが増えます。バブル崩壊より長らく言われていた「終身雇用の崩壊」がいよいよ現実となるのです。
しかし,20代の皆さんは悲観するのではなく,スキルを常に磨き続けていくことでより良い働き方を選択しやくもなります。時代に合わせた生き方ができるようにスキルを磨いていきましょう