リクルートエージェント,doda,マイナビエージェントなど転職エージェントのどのサービスを使えば良いのか迷っている方も多いと思います。
そこで今回は,実際に人材紹介会社と一緒に仕事をしたり取材を通して,表も裏も見てきた僕が転職支援サービスを徹底比較します。
各属性ごとの就職/転職支援サービス
転職支援サービスは対象ごとに異なる
一口に転職支援サービスと言っても,対象はさまざまです。
ここではわかりやすく人材業界最大手のリクルートのブランドで解説します。
- 新卒向け:リクナビ就職エージェント
- 若年層向け:就職Shop
- 一般転職向け:リクルートエージェント
- ハイクラス向け:リクルートダイレクトスカウト
新卒向けは新卒学生を対象にしたサービスなのでわかりやすいと思います。
若年層向けとは,第二新卒・既卒・フリーターなど新卒ではないけれど,未経験から正社員を目指すときに利用するサービスです。
一般転職向けとハイクラス向けは,およそ「年収800万円」がボーダーラインになります。また,ハイクラス向け転職サイトはヘッドハンティングによるスカウトが受けられるのも特徴です。
リクルート,パーソルキャリア,マイナビで比較してみる
リクルート | パーソル | マイナビ | |
新卒向け | リクナビ就職エージェント | doda新卒エージェント | マイナビ新卒紹介 |
若年層向け | 就職Shop | – | マイナビジョブ20’s |
一般向け | リクルートエージェント | doda | マイナビエージェント |
ハイクラス向け | リクルートダイレクトスカウト | doda X | – |
さらにわかりやすくするために,人材業界の国内大手プレイヤーであるリクルート,パーソルキャリア,マイナビの属性ごとの就職/転職支援サービスを比較してみました。
リクルートは人材業界の最大手だけあってすべての属性を網羅しているのがわかります。パーソルはどちらかというとハイクラスに強い印象です。反対にマイナビはどちらかというと20〜30代など比較的若年層向けに強いことがわかります。
※補足
doda新卒エージェントは,ベネッセとの合弁会社「ベネッセ i-キャリア」が運営,マイナビジョブ20’sは,マイナビの子会社「マイナビワークス」が運営しています。
運営会社と設立年を比較
一般転職エージェント
名称 | 運営会社 | 設立年 |
リクルートエージェント | 株式会社リクルート | 1977年 |
doda | パーソルキャリア株式会社 | 1989年 |
パソナキャリア | 株式会社パソナ | 2007年 |
ワークポート | 株式会社ワークポート | 2003年 |
マイナビエージェント | 株式会社マイナビ | 1973年 |
リクルートグループの元にあたる「リクルート」は,1960年に江副浩正(えぞえ・ひろまさ)さんが広告代理店「大学新聞広告社」として創業したのがはじまりです。
その後,リクルートの元になる「株式会社大学広告」を設立しました。「株式会社リクルート」に商号変更したのは,2012年10月1日です。
パーソルグループは,人材派遣を担う「テンプスタッフ」(1973年)が人材紹介を担う「インテリジェンス」(1956年)を子会社することでできました。
ワークポートは元々IT専門の人材紹介サービスをしていましたが,現在はリクルートエージェントやdodaと同じく総合型に幅を広げました。
マイナビは,1973年に「株式会社毎日コミュニケーションズ」として創業されました。2011年から現在の社名(マイナビ)になりました。
ハイクラス向け転職サイト
名称 | 運営会社 | 設立年 |
リクルートダイレクトスカウト | 株式会社リクルート | 1977年 |
doda X | パーソルキャリア株式会社 | 1989年 |
ビズリーチ | 株式会社ビズリーチ | 2007年 |
リクルートダイレクトスカウトとdoda Xは,それぞれリクルートとパーソルキャリアのサービスなので割愛します。
ビズリーチは,2007年に設立されました。数ある人材紹介サービスの中で珍しく求職者課金型(求職者がお金を払う)の転職サイトとして知られています。
転職活動をするときはセカンドオピニオンが大切
転職エージェントを利用してカウンセリングを受けたとき,「あれ!?初回なのにすごい勢いで求人を紹介されちゃった…」みたいなときは,企業の利益体質やエージェント個人が成績を追っているかもしれないという可能性も視野に入れましょう(もちろんこの限りではない場合もあります)。
このような点から,セカンドオピニオン(第2の意見)を付けるように2つまたはそれ以上の数のエージェントサービスを併用しながら就職活動を進めることが大切になります。
自分がAという世界しか知らなかったら,その中だけでしか判断ができません。AとBという世界を知って初めて,違う考え方やその正当性を判断できるようになるのです。
サービス内容を比較
一般転職エージェント:キャリアアドバイザーが支援
リクルートエージェントやdodaのような一般転職エージェントは,サービス登録後,キャリアカウンセリングを受けて,求人を紹介してもらうのが基本の流れです。
- 登録
- キャリアカウンセリング
- 求人紹介
- 応募書類の添削・面接対策
- 採用面接
- 内定・入社
ハイクラス向け転職サイト:ヘッドハンティングもあり
ハイクラス向け転職サイトは,自分で求人を探すだけでなく,企業やヘッドハンターからスカウトを受ける方法もあります。ハイクラスだけあり,登録後はスカウトを待つことが可能ですが,その分,スカウトを受けるだけの職務経歴書をつくる工数は必要になります。
- 求人を検索する
- 企業からスカウトを受ける
- ヘッドハンターからスカウトを受ける
対応地域を比較
一般転職エージェント:全国各地にオフィスあり
一般転職エージェントは全国各地にオフィスがあります。また,現在はオフィスでの面談ではなく,オンラインでも全国からキャリアカウンセリングが受けられるようになっています。
リクルートエージェント
- 東京本社
- 北海道支社
- 東北支社(仙台)
- 宇都宮支社
- さいたま支社
- 千葉支社
- 西東京支社(立川)
- 横浜支社
- 静岡支社
- 名古屋支社
- 京都支社
- 大阪支社
- 神戸支社
- 中四国支社岡山オフィス
- 中四国支社広島オフィス
- 福岡支社
doda
- 丸の内本社
- 北海道オフィス(札幌)
- 北海道第二オフィス(札幌)
- 東北オフィス(仙台)
- 東北第二オフィス(仙台)
- 大手町オフィス
- 紀尾井町オフィス
- 浅草橋オフィス
- 西新宿オフィス
- 横浜第二オフィス
- みなとみらいオフィス
- 静岡オフィス
- 中部オフィス(名古屋)
- 中部第二オフィス(名古屋)
- 名古屋オフィス(名古屋)
- 関西オフィス(大阪)
- 関西第三オフィス(大阪梅田)
- 大阪オフィス
- 京都オフィス
- 神戸オフィス
- 岡山オフィス
- 広島オフィス
- 九州オフィス(福岡)
- 九州第二オフィス(福岡)
- 九州第三オフィス(福岡)
パソナキャリア
- 東京(本部)
- 大阪支店
- 名古屋支店
- 横浜支店
- 静岡支店
- 広島支店
- 福岡支店
ワークポート
- 本社オフィス(大崎駅)
- 仙台オフィス
- 埼玉オフィス
- 千葉オフィス
- 立川オフィス
- 秋葉原オフィス
- 横浜オフィス
- 名古屋オフィス
- 京都オフィス
- 大阪オフィス
- 神戸オフィス
- 岡山オフィス
- 広島オフィス
- 福岡オフィス
マイナビエージェント
- 東京(京橋)オフィス
- 新宿オフィス
- 札幌オフィス
- 横浜オフィス
- 静岡支社
- 名古屋オフィス
- 京都支社
- 大阪オフィス
- 兵庫支社
- 福岡オフィス
ハイクラス向け転職サイト:オフィスでの面談は基本なし
一方,ハイクラス向け転職サイトはオフィスでの面談はなく,前述のように自分で求人を探して企業とやり取りをしたり,スカウトを受けたりするのが基本になります。
ヘッドハンターにスカウトを受け,実際に対面やオンラインで面談を受けることも可能です。
利用料金を比較
ほぼ全サービス無料
ほぼすべての転職支援サービスは無料で利用できます。
サービスを運営する人材紹介会社は,求職者が就職すると「紹介料」という形で企業から報酬を得ているので,無料で良質なサービスを提供できる仕組みになっています。
つまり,求職者のあなたは良質なサービスが受けられる,企業は良質な人材が獲得できる,人材紹介会社は紹介料が受け取れるという三方良しの関係が成り立つのです。
ただし,人材紹介会社にお金が入るというのは注意も必要です。前述のように企業やエージェントによっては利益を優先するあまり,「就職支援」という本来の目的が疎かになっているところもあります。
きちんとしたサービスを知るには,今自分が利用している目の前のサービスがすべてではなく,他のエージェントサービスも利用するなどセカンドオピニオンを付けることが大切です。
ビズリーチは有料サービスもあり
数ある転職支援サービスの中で,ビズリーチは有料サービスがあります。無料でも使えますが,有料だと企業名を含んだ求人検索やヘッドハンターへの相談などができるようになります。
ビズリーチの有料サービスは,登録時の審査によって決定されるクラスによって異なります。
- タレント:3,278円/月
- ハイクラス:5,478円/月
※ハイクラスは年収1,000万円以上など
2023.05.05
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